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春が近づき暖かくなってくると、バラが新芽を伸ばし、つぼみを付け始めます。しかしそのタイミングで以下のような症状が見られたら、バラゾウムシの被害にあっている可能性があるため、注意が必要です。
・花首が焦げたように黒くなり折れる
・つぼみがくたっとする
・新芽に細かい穴が開く
本記事では、バラにつくバラゾウムシの生態やおよぼす被害、発生時期、駆除・予防方法などを詳しく解説します。大切なバラを守りたい方は、ぜひ参考にしてください。

最初に、バラゾウムシの生態や特徴、発生しやすい時期・植物などをわかりやすく解説していきます。
分類上、バラゾウムシという名前の虫は存在しません。バラのつぼみや葉を加害するゾウムシの仲間を園芸現場では「バラゾウムシ」と呼びますが、これは主にクロケシツブチョッキリ(小型の甲虫)を指します。
バラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)は、体長2~3mmほどと非常に小さく、頭部の先端が象の鼻のように長く突き出ているのが特徴です。この長い口を使って葉やつぼみに穴を開けます。また、外敵に驚くと脚を縮めて動かなくなり、死んだふりをして身を守る習性があります。
バラゾウムシによるおもな被害は以下のとおりです。
・日々膨らんでいくバラのつぼみが突然くたっとしおれる
・花首が焦げたように黒くなりポキッと折れる
・食害により新芽に細かい穴が開く
バラゾウムシは、バラの新芽やつぼみに穴を開けます。すると、穴の開いた新芽には水分が行きわたらなくなって枯れてしまいます。バラのつぼみが突然しおれる、ポキッと折れる、新芽に細かい穴が開くのはこのためです。
また、早春から夏にかけて新芽やつぼみの茎に卵を産み付け、孵化した幼虫は枯れた新芽やつぼみを餌にして成長します。やがて幼虫は枯れた新芽やつぼみと一緒に地面に落ち、土中に潜ってさなぎになります。そうして7~8月頃に成虫となり、さらなる被害をもたらしていくのです。
バラゾウムシが数匹発生しただけでも大きな被害が出るので、大切なバラを守るためには徹底的に予防・駆除することが大切です。
バラゾウムシがバラのつぼみに卵を産み付ける理由としては、生まれてすぐの幼虫が食べ物に困らないようにするためといわれています。また、バラのつぼみが外敵から幼虫を守るシェルターの役割をするという側面もあるようです。
バラゾウムシのライフサイクルは以下のとおりです。
1. 成虫がバラのつぼみや新芽に卵を産み付ける(産み付けられた部分は傷がついて枯れる)
2. 幼虫が孵化し、枯れた新芽やつぼみを食べて成長する
3. 枯れた新芽やつぼみが地面に落ちるときに、幼虫も一緒に落ちる
4. 土の中に潜ってさなぎになる
5. さなぎから成虫になったバラゾウムシは土から出て飛び立つ
バラゾウムシは4~10月、つまり春から秋にかけて、比較的長い期間発生する害虫です。特に、バラにつぼみが付き始める4~5月、成虫が増える7~8月頃に被害が多くなる傾向があります。
バラゾウムシは日本全国のさまざまな場所で見られますが、山地では比較的数が少ないとされています。
バラゾウムシはその名のとおり、おもにバラに発生する害虫ですが、以下のような植物も被害にあいやすいため、注意が必要です。
・サルスベリ
・クヌギ
・アベマキ
・コナラ
・ラズベリー
・キイチゴ など
時期によって植物を変えて繁殖するのが特徴です。
バラの新芽やつぼみがしおれて枯れたら、バラゾウムシによる被害を疑う必要があります。ここからは、バラゾウムシの予防・駆除方法を紹介します。
バラのつぼみがほころび始めたら、バラゾウムシが本格的に増える前に白い軍手を使って直接捕獲しましょう。
白い軍手をした手で花や新芽を下から包み込み、揺すったり軽く叩いたりすると、軍手の上に死んだふりをしたバラゾウムシが落ちてきます。それを直接ビニール袋に入れて、駆除は完了です。
この方法は、早朝などバラゾウムシが比較的無警戒に姿を現しているタイミングで行うとより効果的です。
高いところに生えているバラの真下や株もとに透明なビニール傘を逆さにして広げ、株を軽く揺らし、落ちてきたバラゾウムシをビニール傘で捕獲する方法です。この方法のメリットとして、受け皿となるビニール傘が大きいため、落ちてきたバラゾウムシのキャッチ率が高いことが挙げられるでしょう。また、透明のビニール傘を使うと足もとが見やすくなり、周囲の植物を踏んだり傷付けたりしないように配慮できる点もメリットです。
軍手で捕獲するよりも効率が良いので、バラゾウムシの数が多いと予想されるときにおすすめの方法です。
バラゾウムシを物理的に捕獲する方法と併せて殺虫剤を使用すれば、より効果的に駆除・予防できます。
特にまだつぼみが付く前の4月頃から予防的に殺虫剤を散布すると、バラゾウムシによる被害を大幅に減らすことが可能です。

ここでは、バラにつくバラゾウムシに効果的な殺虫殺菌剤を3つご紹介します。
ベニカXネクストスプレーは、花・庭木・野菜など幅広い植物に使える殺虫殺菌スプレーで、5種類の有効成分を配合しているのが最大の特長です。
速効性のある殺虫成分に加え、植物体内に浸透して効果が持続する成分、さらに病気の予防・治療に役立つ殺菌成分までバランスよく配合。
1本で「害虫対策+病気対策」をしっかり行いたい方に向いています。
バラゾウムシをはじめ、薬剤抵抗性をもつアブラムシやハダニ、チョウ目の老齢幼虫などにも対応しており、防除範囲の広さと効果の強さが魅力です。
雨に強く、効果が長続きする点や、葉裏までしっかり噴霧できる逆さ散布や、手が疲れにくいトリガーを採用しているところも使いやすいポイントです。
ベニカXファインスプレーは、花・庭木・野菜など幅広い植物に使いやすい万能タイプの殺虫殺菌スプレーです。
速効性のあるフェンプロパトリンと、浸透移行性で効果が持続するクロチアニジンの2成分により、「すぐ効く+長く守る」をバランスよく実現。アブラムシを約1ヵ月寄せ付けない効果もあります。
バラゾウムシのほか、アブラムシ類やアザミウマ類、コガネムシ類成虫、コナジラミ類、チュウレンジハバチ、ハダニ類などに効果を発揮します。それだけではなく、病原菌を防いでうどんこ病や黒星病、灰色かび病といった病気も防除可能です。
ベニカXネクストスプレーに比べて成分数はシンプルですが、使える植物の多さと扱いやすさが魅力で、ガーデニング初心者や日常的なケアにおすすめです。
◇ベニカXガード粒剤【予防型】
ベニカXガード粒剤は、種まきや植え付けのときに土に混ぜ込んだり、植え付け後にばらまいたりするだけで使える粒タイプの殺虫殺菌剤です。殺虫成分クロチアニジンが根から吸収されて植物全体に行きわたり、害虫の被害からバラ全体を守ります。
バラゾウムシのほか、コガネムシ類成幼虫、アザミウマ類、チュウレンジハバチといった害虫に有効です。配合された微生物(バチルス・チューリンゲンシス菌)の働きにより植物の抵抗力を高め、うどんこ病や灰色かび病などの発生を予防する効果もあります。
最後に、バラゾウムシの被害を受けた際に気になるポイント・よくある質問と、その答えを紹介します。
被害を受けた新芽やつぼみは枯れるため、その後、芽が伸びたり花が咲いたりすることはありません。バラゾウムシの被害を受けた枝は卵が産み付けられている可能性があるため、早めに除去しましょう。
剪定は、葉の付け根から5mm~1cm程度上で切るのが基本です。バラゾウムシの被害に遭ったら、しおれた新芽やつぼみなど、被害を受けた箇所のすぐ下の健康な5枚葉の1~2cm上で切り戻してください。また、切った枝には卵や幼虫が付いている可能性があるため、必ず放置せずすぐに処分しましょう。
ベニカXネクストスプレーやベニカXファインスプレーなどの殺虫殺菌剤は、バラゾウムシの発生初期(4月~、7月~)に使用してください。ベニカXガード粒剤などの殺虫殺菌粒剤は、発生前から発生初期にかけて株もとにばらまいて使用しましょう。どの薬剤も総使用回数の制限を守り、必要に応じてローテーションで使用することがポイントです。
バラゾウムシはバラの新芽やつぼみを傷付けて産卵し、枯らしてしまう厄介な害虫です。被害を防ぐためには、発生初期に正しく殺虫殺菌剤を使用することをおすすめします。
今回紹介した3つの薬剤は、どれもバラゾウムシに効果を発揮し、病気の予防も叶えてくれます。必要に応じて組み合わせて使用し、大切なバラを守りましょう。
バラにつくバラゾウムシとは?生態や症状、発生時期、駆除・予防方法を解説園芸知っトク情報のページです。
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